
Spring Awakens
3月9日から、カナダでは夏時間が始まりました。よくDaylight Saving Time(日光節約時間)とも呼ばれ、夏の期間に時計の針を1時間早め、日中の明るい時間を長く有効的に使う時間制度です。夏時間が始まったと言っても、まだ冷たい雨の日が続き、春は遠い気配ですが、明らかに土の中では春が芽吹き始めています。長い冬を越して、初春1番に咲くクロッカスはもう満開。クロッカスの花言葉は「青春の喜び」・「切望」など、春の訪れを待ち望む気持ちを象徴しています。毎年決まった場所に誰が植えたわけでもないクロッカスが咲き乱れる姿を見ると、植物が持つ力強い「生命力」、そして季節の巡りがもたらすブレのない営みに感心させられます。
日本では春の訪れを連想させる「三寒四温」という季語があります。寒暖を繰り返しながら春へと近づく自然のリズムを表した言葉です。天気予報などでこの言葉を耳にすると、「春が近いな」と感じます。
今は春が顔をのぞかせては、冬が名残り惜しそうに引き留める「春待ち」の時期。気持ちを新たにするためにも、身の回りをすっきり整えたり、冬の間に溜まったものを手放す春の大掃除を始めたくなります。身体も同じく、活動的な季節の前に掃除を始めます。冬の間に締まっていた毛穴も、余分なものを排泄しようと春先に開き始めます。開いた毛穴をしっかりクレンジングしてあげてから、またきゅっと引き締めてあげましょう。例えば、ヨモギは解毒作用を促すため、日本ではよく春の野草として食されますが、スキンケアとしてもその効果を発揮してくれます。肌の老廃物の排出を助け、抗菌・効炎作用で肌荒れを改善し、お肌を健やかに保ってくれるヨモギは、これからの季節にぴったりの植物です。
SHIKI naturalでも、4月から新しいバッチに移行するMugwort Facial Oil。ディスカバリー諸島と呼ばれる地域にあるファームで、ほぼ自然のまま生息しているヨモギを手摘みしています。
このヨモギの浸出油は、まるでカナダ翠緑の湖を思わせるような鮮やかさ。そして、ほろ苦い草の香りが広がり、自然の息吹を感じさせてくれます。肌に触れた瞬間、ヨモギは「浄化」という言葉が一番しっくりきます。
季節の変わり目は肌も揺らぐ時。大地から元気よく復元してくるクロッカスのように、お肌の土台もしっかり整えて、軽やかに春を迎えましょう。