A Season Between Seasons

A Season Between Seasons

11月の終わり、カナダは晩秋を迎えています。始まったと思った紅葉もすでに散り始め、カラフルな落ち葉のカーペットが一面に広がっています。もう冬が目の前です。

 それぞれの季節の変わり目の間には土用と呼ばれる期間があり、秋土用が終わると冬の気配を本格的に感じます。土用とは、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前の約18日間のことを指します。中国から伝わった「陰陽五行思想」に基づいたもので、自然界は木・火・土・金・水の5つの要素から成り立っていると考えられています。季節もこの5つの要素に当てはめて、春は木、夏は火、秋は金、冬は水の気とされます。土用は「四つの季節の間の季節」と言っても良いかもしれません。

土用の期間中は、陰陽道で土をつかさどる土公神の支配下にあるとされることから、この期間中は、土いじりなど土を動かすこと、大きく新しいことを始めること、引越しなど場所を移動することは縁起が悪いとされています。

一見難しい印象ですが、季節の変わり目は気が不安定になり、なにかとバランスを崩しやすい時季だと言うことを、昔の人達は自然と習得したのかもしれません。そんな変わり目の時間は「少しゆっくり過ごしましょう」、と言うメッセージにも捉えられます。

 今年の秋の土用は10月20日から11月6日でしたが、私はその前にガーデニングを全て終わらせたと同時に、今年のハーベストも幕を閉じました。

自然界も同じく、木々は鮮やかに色づいた落ち葉を地上に降らせ、根っこや周りの植物を冬の寒さから守る準備をします。それが人や動物の足で踏み固められ、雨が降りそそぎ、ゆっくりと来年の土の肥やしとなって行きます。

そして、バンクーバーの1119日。近所の山がうっすら雪化粧になりました。
全ては循環の中にあると感じる、カナダの秋の終わりです。

 

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